体が楽な車中泊 /N-VAN用に広い机(棚)を自作

N-VANの改装(改造)の、もう一つの目玉である広い机(棚)を自作したので、その作り方と取り付け方法を説明します。

1.N-VAN選択の理由と改装のアウトライン

2.床板の導入と自作ベッド

3.机(棚)の自作 ← 本稿

4.照明、換気扇、カーテン、サンシェード(目隠し)

5.小モノ収納について

6.車中泊後の気付きと改良点

  → 世界遺産の石見銀山 N-VAN車中泊旅

  

3-1.考え方

荷室の四方の柱にはユーティリティナット(ネジ穴)が縦方向に等間隔に5個並んでいて、その柱どうしは垂直で平行になっています。

柱が垂直・平行ということは、車幅方向の間隔は一定(1230mm)なので、車幅方向に取付けた棚などは上下方向に移動することができます。

同様に、前後方向の柱も垂直・平行なので、ユーティリティナット(ネジ穴)の間隔は同じ(560mm)となり、前後の柱に渡した棚受け(以下、棚受)は上下で同じものが使えることになります。
(実際は、取り付けの穴の位置は同じでも後述のとおり上下でデザインを変えたもの2セットを準備しました。)

とすると、車幅方向一杯の板で机を作り、それを棚受(写真では黒色)で受けて幅の広い机として使用する一方、その机を使わないとき(普段使いや就寝中)は、それを上の棚受(写真では黄色)に移動すれば、机のあったところに空間が生まれることになります。

これは、乗用車タイプにはない、N-VANのメリットです。

一番下の前後のユーティリティナット(ネジ穴)を使った机用の棚受(黒色)、一番上の前後のユーティリティナット(ネジ穴)を使った棚用の棚受(黄色)、の2セットを取り付けました。

  

3-2.机の自作

まず、取り付けた状態の机をご覧ください。
この机は、机部材となる天板+補強材と、前後間の柱に取りつけた棚受(写真ではシートベルトが掛かっている黒色の板)とで構成されます。

下の写真は、机部材を裏から見た様子です。

写真の机部材は、黒っぽい天板(長さ1230mm)と、その裏に取り付けた白木の補強材(長さ1200mm)からなり、補強材の長さは天板より30mm短くなっていて、補強材の長手方向外側の両方の羽根の部分(各15mm)が、黒の棚受に乗っかることになります。

黒の棚受の厚さは下の図のように12mmなので、補強材の長さは計算上は天板より24mm短くて良いところ、実際は30mm短くして、少し余裕を持たせています。
これで、取り付け・取り外しが楽になっています。

また、机用の棚受(黒色)には凹条の切り欠き(長さ405mm、深さ20mm)があり、その部分に机部材の天板(幅403mm、厚さ18mm)の羽根の部分がはまり込み、天板の裏に取り付けた補強材はその棚受間にフィットすることとなります。

詳細は下のポンチ絵をご覧ください。(拡大すると寸法が分かります。)

机部材(棚)と棚受(黒・黄色)のイメージ図

このように、机部材と棚受(黒色)は三次元的に組み合わされて、遊びはあるものの基本的に机は前後左右に動きません

その棚受にはまり込んだ状態で、床面から天板上面までの高さが710mmと家庭で使う机やテーブルと同じ高さになっています。

単板を置いただけの机と違って、裏面の補強材の効果でこの机部材にPCを置いて作業しても、資料を並べても、机はたわむことはありません

     

3-3.棚の取り付け方

棚は、新たに作るわけではなく、上で作った机部材を裏返して、柱の最上部に取りつけた棚受(黄色)に乗せて棚としています。

そのとき、この補強材は荷物の滑り防止に役立ちます。

この棚受(黄色)は、前後の柱の一番上のユーティリティナット(ネジ穴)に2個の穴付き六角ボルトで固定されている黄色い板です。

天板の長さは柱の間隔と同じ(1230mm)にしてあるので、この棚は車幅方向には動きません。また後方の柱が上の方が少し膨らんでいるので、後方にも移動しません。

棚をなるべく高い位置にする意味合いから、この黄色の棚受には、黒い棚受のような凹状の切り欠きはなく、代わりに6mmのダボを取りつけました。

このダボによって、ブレーキをかけても棚が前方に飛び出ることはありません。

なお、この棚受(黄色)には茶色の防振ゴムを張り付けてあり、これによって走行中のガタガタ音を防止しています。

    

3-4.材質等

天板は黒っぽい色をしていますが、これは着色したわけではなく、ホームセンターで見つけた黒桐板(厚さ18×幅200×長さ1820mm)2枚使ってます。

さすがに桐材だけあって板自体が軽く、このような使い方には向いていると思います。

断面が12×30mmの杉板を上図のように矩形(高さ30mm)に組み合わせ補強材とし、これに桐板2枚にねじ止めして、桐板をはぎ合せるとともに、長手方向のたわみ防止としました。

なお、ここでは食事もするので、表面の汚れ防止のために床板に使用したのと同じ蜜蝋ワックスを、天板の上面に擦り込みました。

黒と黄色の棚受は、それぞれ杉板を加工したもので、N-VANの内装と違和感がないよう、100均で買った黒と黄色の塗料を塗っています。

  

3-5.気が付いたこと

今回、室内への圧迫感が無く、見栄えが良いようにと棚受(黒、黄色)には厚さ12mmの薄い板を使いました。

しかし机部材の天板の長さが荷室の柱の間と同じなので、机部材の取り付け・取り外しの際に机部材を持ち上げつつ角を窓ガラスの方にずらして斜めにしないと上手く取り付けたり、外したりができません。

裏返して、棚として上の棚受に置く場合も同じです。

もし、本文と同じような細工をされる場合は、棚受の厚みをこれよりも厚くするとともに、天板と補強材を短くすることで、机部材の取り付け・取り外しがもう少し楽になると思います。

この机を取り付けた状態でも後方視界は全く問題ないので、出発前にベッドと机を設置することをお勧めします。車中泊地に着いた後の手間が減ります。

また、このように机を取り付けた状態で運転する場合、走行中に机部材が飛び跳ねないように伸縮ベルトで棚受に固定(後述)します。

  

次は、車中泊を快適にするための照明、換気扇やカーテン、サンシェード(目隠し)についてお伝えします。

4.照明、換気扇、カーテン、サンシェード(目隠し)
  ↑ 次の話題です。

世界遺産の石見銀山 N-VAN車中泊旅

 

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