新型ステップワゴンに換気扇の設置

前回は、車中泊の必須アイテムであるカーテン、シェード(目隠し)、車内照明の説明をしました。

ここでは車中泊翌朝のガラス結露を減らすのに有効な換気扇を新型ステップワゴン エアー(RP6)用に手作りしたので、その様子をお知らせします。

他の改装(改造)に関わる項目については以下をご覧ください。

1.ステップワゴン エアーの選択の理由と改装のアウトライン

2.自作の水平ベッド

3.机の取り付け

4.カーテン、シェード(目隠し)、照明

5.換気扇    ←本稿

6.車中泊後の気付きと改良点

  

5-1.考え方

夜中にそんなに冷え込まなくても、車中泊の翌朝はフロントガラスなどに大量の結露があって、それを拭き取るのが大変です。

そんなことで、このステップワゴン エアーの2列目の窓に取り付ける換気扇を作製しました。

このステップワゴンは2列目の窓ガラスを上下することができます。となると以前のアウトバックの換気扇と同じ考え方で作製できると思いますが、アウトバックと違うのは窓の大きさです。

アウトバックの窓はそれほど大きくなかったので現物合わせで作製しましたが、ステップワゴンの2列目窓は前後方向に920mmもあり、その大きさ故に現物合わせで失敗するとロスが大きくなります。

そこで、今回は事前に寸法を十分調べたうえで、作製に取り掛かりました。

また、シェードのところでも書きましたが、この窓は一見長方形にみえるものの実際は平行四辺形になっていて、その傾きの角度も実測して考慮しました。

  

5-2.窓(外板)の寸法

2列目の窓は下の辺が前方に出ている平行四辺形となっています。

アウトバックのときもそうでしたが、窓全体に換気扇を取り付けるのではなくファンの大きさに合わせた高さ(今回の下の絵の内板の高さは220mm)とした上で、それをガラスの上昇圧力で固定するようにします。

換気扇構造の概念図

そこで、上のポンチ絵で示した外板と内板は窓(ガスケット)の形に合わせた平行四辺形として、下の寸法でポリカーボネート製プラダンをカットします。

ポリエチレンのプラダンも市販されていますが、安心のために叩いても割れも壊れもしないポリカーボネート製プラダンを使っています。

下の絵のとおり外板は前後方向は短くて高さ方向は大きく、一方の内板は前後の長くて高さは短くなっています。(その理由は後で説明します。)

換気扇の内板と外板の寸法

   

5-3.換気扇の組み立ての大まかな流れ

外板・内板の各辺は直線なので、プラ板カット用のPカッターで溝を付けて、それをキッチンバサミでトレースするように切り離しました。

今回の換気扇は右側のスライドドアーの窓に取り付ける想定なので、この2枚のプラダンを下のように重ね、その2枚を両面テープで接着します。

使った両面テープはN-VANの換気扇で紹介した下のものです。

右側の窓に設置する場合

上段の絵は車内側から重ね合わせたプラダンを見た状態です。
下の方にはみ出したのベージュ色で示した外板は、茶色で示した内板を窓に固定したとき(下の絵を参照)窓ガラスの外側を覆う部分になります。
一方、下段の絵は車外側から見た状態で、外板(ベージュ色)の周りの茶色の部分は、ガスケットの溝に納まる内板の部分となります。

こうすることで、上のポンチ絵で示すように車外側から大きな力が掛かっても、その外板のはみ出した部分が邪魔をして換気扇は簡単には外れません。

このポンチ絵を元に、換気扇に組み上げ車内側から見たのが下の写真です。

実際に組み上げた換気扇

赤色の矢印が内板で、レジャーマットの周りに少し見えている部分がガスケットの中に納まります。
黄色の矢印の外板のはみ出し部分が、窓ガラスの車外側を覆う部分となります。

銀色に見えている部分が車内側のプラダンに張り付けたレジャーマットで、これはシェード(目隠し)の役割をします。

このレジャーマットの貼り付けは当初、前に紹介した両面テープを使いましたが、使用中に剥がれたことがあって、調べたところプラスチック用両面テープは他にもあって(下の写真)、これを使うことで剥がれなくなりました。
こちらの方が接着テープに厚みがあり、それが合っているのだと思います。

これを窓に取り付けたあと、更に下のガラス部分に大きさを調整したレジャーマットを嵌めて、窓のシェード(目隠し)は完成です。

実際に換気扇を取り付けた状態と、その下の写真はレジャーマットを嵌めてシェードとした状態です。

窓に換気扇を取り付けた状態
換気扇の下の部分にレジャーマットを嵌めた状態

以前のシェード作製のページで書いた右側の窓を覆う一枚もののシェードは、極寒の時とか大雨のとき換気扇を取り付けないと判断したときに使い、通常はこのように換気扇を取り付けた状態で車中泊します。

換気扇を取り付けたあと、それを稼働させるかどうかは気温や雨の程度で決めます。

この状態の換気扇を車外側から見ると、下のようになっています。

このままだと、ファンが回転すると回転部分が透けて車内が覗けるようになる問題と、にわか雨でファンが濡れると故障する可能性があるので、そののぞき見防止とにわか雨対策としてポリプロピレンの2mmの発泡シートを折り曲げ加工して両面テープで貼り付けました。(下の写真参照)

最終的な換気扇の外観

ポリプロピレンのシートは極端に曲げても亀裂が入らない特徴があるので、単純な曲げ加工に向いています。但し、しばらくすると元に戻ろうとするので、癖がつくまで何度も曲げる必要があります。

  

5-3.換気扇組み立て時の詳細

上の流れで換気扇を作った訳ですが、ここでは実際の作業で注意すべき点をまとめました。

①ファンの取り付け
プラダン2枚を接着した合板にファン取付け用の穴(80mm×80mm)を開けるには、上で紹介したPカッターで先ずファンの筐体と同じ大きさの正方形の溝を付けますが、この穴は板の外につながっていないのでキッチンバサミが使えません。

そこで、溝に沿ってカッターナイフを突き刺しながら切り離すようにしました。

それでも正確に穴を開けるのは難しく、あとはファンを嵌めながらカッターナイフで穴の形を少しずつ調整しました。

また、二つのファンは2連のファンの表裏を変えて、一方が排気用、他方が吸気用になるように配置し、それぞれのファンの車外側には網戸のネットを適当な大きさに切って取り付け、防虫対策としています。

上の写真でそれぞれのファンがひと回り大きい四角いレジャーマットで取り囲まれているのが分りますが、これは所定の形状に調整したレジャーマットをプラダンとファン筐体の間に挿入・貼り付けることでファンがプラダンから外れないようにしているからです。

その所定の形状とは、四角くカットしたレジャーマットにファンの筐体の形に合わせて丸型の穴を開け、更に筐体の柱部分に該当するところに筐体の柱を回避するための切り込みを入れたものです。

その四角のレジャーマットの周りには他のレジャーマットをすき間無く貼り付けて目隠しにしています。

  

②換気扇の窓への取り付け方法

上の写真の赤い矢印の部分は窓のガスケットに挿入される部分です。
窓ガラスを下げた状態で、先ずこの換気扇(プラダン)を大きく湾曲させて右の矢印部分を右のガスケットの溝に差しこみ、同時に左側のはみ出し部分(写真では分かりにくい)を左のガスケットの溝に挿入します。

次に、手でその換気扇を押し上げて、上の赤い矢印の内板のはみ出し部分を窓の上のガスケットの溝に納め、更に窓ガラスの昇降スイッチを操作して黄色の矢印のプラダンがガラスの車外側に来るように窓ガラスを慎重に上げて、最後に換気扇がグッと持ち上がったところで、換気扇の取り付けは完了です。

  

③モバイルバッテリーを入れる箱

換気扇のファンの間に見える白い箱状のものはモバイルバッテリーを入れる箱です。
これは硬質塩ビシートで作ってレジャーマットでできたシェード(目隠し)の面に両面テープで貼り付けています。

硬質塩ビは80℃くらいのお湯に浸けると簡単に手で曲げられるので、箱の展開図に沿って金定規を当てながらお湯に浸けて曲げました。

ポリプロピレンのシートは常温で曲げられますが、曲げたあとシートは元に戻ろうとします。一方、塩ビシートは一旦熱をかけて曲げてしまうと元に戻らないので、このような形状の維持が必要なモノには塩ビシートが向いています。

  

5-4.まとめ

このステップワゴンの2列目の窓ガラスは昇降できるので、アウトバックの換気扇と同じ考え方で2枚のポリカーボネートのプラダンを貼り合わせたものにPC用の二連冷却ファンを嵌めて作製しました。

二連の冷却ファンを使う理由は、表裏を逆にして取り付けることで、排気と吸気が同時にできるからです。また一つのモバイルバッテリーで動かすこともできるのも利点です。

この換気扇は窓に取り付けるので、車内側にはレジャーマットを貼り付けています。それを窓に取り付けたあと、残った窓ガラスにはレジャーマットを嵌めることでシェード(目隠し)が完成します。

この換気扇の取り付けは、各窓にシェード(目隠し)を取り付けるのと同じタイミングで簡単にできます。

次回は、このステップワゴン エアーで実際に車中泊した際の気付きなどについてまとめてみました。

 

   赤目四十八滝と大台ヶ原の秋(ステップワゴンで 一泊二日)
   ステップワゴンで西日本の旅 七泊八日

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